イギリスの建築はレンガの寸法に始まり、レンガの寸法に終わるというお話。
みなさんこんにちは!
今週も無事終わって金曜日の夕方って本当に幸せ〜
週末うれしいです。元気な子供達にもありがとう。感謝。
ところで最近読者として登録させて頂いている方のブログで、東京のレンガ建築や塀の写真を撮影されて掲載されている方がいらっしゃるのですが、東京にもこんなにレンガの建物があるのだと、知らなかったのでとても興味深く拝見させて頂いています。 ↓↓↓
読みながら小さい頃よく家族で加曽利貝塚に行ったり、ドロメンコを拾ったりして遊んだのをしみじみ思い出したりしているのですが、
この東京のレンガ建築、 こちらで Stretcher Bond と呼ばれる長手積みや、古い建物や塀でよく見られるイギリス積み (English Bond) などもあり、イギリスにいるみたい〜と思わせるような建物もありますね。すごい。
なんで私がこんなにレンガの積み方に見入ってしまうかというと、
イギリスの建築のデザインは 1にBrick、2にBrick、3にBrickという感じだからなのです、笑。
まず大抵の建物が Brick でできていますね。(3びきのこぶたで一番強い家です、笑)
Brick でできているといっても、1945年以降の新しい建物は Cavity Wall といって レンガとコンクリートブロックの間に断熱材を挟んだ分厚い外壁でできています。
住宅のような小さな建物はほぼこの外壁ですね。
日本でいうマンションのような大きな建物になるとこのブロックの部分がメタルフレームになるわけです。
この場合、Brick は ただの化粧材です。でも本物の Brick を使います。
そして、イギリスの建物は日本の建物と少し違い、見た目がとーーーーっても重要なので、外側からデザインされているといっても過言ではないのですが、
この外壁の Brick に従って、階高、建物の幅や奥行き、窓やドアの位置など、全てがデザインされているのです。
つまりBrick は中途半端なところでは切りません。
窓のところでてきとうに切ってしまっている建物をたま〜ぁに見ることがありますが、うわぁひどいっ、という感想になります。
そして現在のBrick自体 の寸法、W215 H65 D102.5mm というややこしい寸法なのですが、これに10mmの目地を足した、225x75 がデザインのキーなのです。
225x75、この寸法はイギリスのアーキテクトで知らない人はいない、笑。
知らなかったらアーキテクトじゃない。
全てがこの倍数 (正確にいうと 112.5 の倍数±10mm) で成り立っているのですが、この倍数暗算で計算できないですよね。
だからみんなこんな表↓↓↓と常ににらめっこ。
この表、イギリスの建築士の机の引き出しに絶対入ってます。
だからイギリスの建築図面には変な寸法がいっぱいなのです。
デザインチェックの時には、これブリックディム (brick dimension)?これブリックディム?これブリックディム?
そんな会話ばっかりです、笑。
建築士になってこんなに Brick と向き合うことになるとは思ってもみませんでしたが、
そのうちまた日本建築も学び直そうとかなと思った今日この頃でした。
それでは良い週末を!