価値が上がり続けるイギリスのお家の不思議ー高額すぎるおんぼろ屋敷
みなさんこんにちは!
色々なことにラストスパートをかける、ということで昨日に引き続き更新。
(と言ってもイギリスを離れてもブログは辞めるつもりはありませんが)
今日はとっても不思議なイギリスの不動産事情について書いてみたいと思います。
イギリスには「プロパティーラダー(Property Ladder)」という誰もが知っている言葉があります。
直訳すると「不動産の階段」という感じですが、何かというと、
イギリスには、ドリームハウスを手に入れるまで、始めは小さなお家から買い、それを売買することにより、徐々にサイズアップするという、定石があるのです。
これを「プロパティラダーを上がる」と言います。
20代後半で、小さなフラット(マンション)、もしくは小さなテラスハウスをまず買い、
家族が増える30代後半あたりでワンサイズ上のセミデタッチドハウス (ふたつのお家が隣同士くっついたもの) などに買い替え、
そして子供も大きくなる40代後半あたりで夢のデタッチドハウス(一軒家)に買い替える。
というような感じで「プロパティーラダー」を上っていくのです。
日本だと家は10年おきに家を買い替えるなんていう発想はあまりないですよね。
そしてイギリスではみんな、このラダー上がりに躍起になっている。
それはなぜか!
それは、イギリスのプロパティーの価値って、手品のように、ずーっと上昇する一方だからなんです。↓↓↓
これは本当に AMAISING !! としか言いようがないのですが、グラフでもわかる通りここ20年で家の価格は2倍以上です。
念のため説明を加えますが、これは、2000年の時に新築だった家と、2019年の新築の家を比べた値段ではありません。
正真正銘、同じ家が20年後に価格が2倍以上になっているのです。
家は古くなるのに、価格は上がる。不思議〜〜。
それを知ってたら絶対に買いますよね!
そして数年後に売りますよね!
半分投資ですね。いや、半分以上投資ですね。
そこで、問題です!
はい、Question じゃなくて Problem です。
こんなにおいしい話が転がっているのに、今のイギリスにはこの「プロパティーラダー」に一歩も上がれない人たちがいーっぱいいるのです。
それは、10年、20年前にこの「プロパティーラダー」に上がり損ねた人たち。
それから、今の若い人たちです。
理由は簡単です。
この20年でプロパティーの値段は2倍 (200%増) になったけど、平均収入はたったの20%増。
そりゃ買えなくなって当然ですよね。
これはここ数年のイギリスの大きな社会問題のひとつです。
イギリスでは、古い建物に価値を置く考え方があります。
長い歴史がある家の方が味があって良い、というような感覚でしょうか。
良いものを建てて長く使うという考え方はと〜っても良いのですが、
ロンドン郊外で、築80年程度の老朽化したセミデタッチドハウスが1億1千万円 (£850,000) って高すぎやしませんか??
買えないわ。
イギリス、もう少し色々リーズナブルになってほしい。はい。
今日はイギリスの 不思議な不動産のお話でした。
それではまたね〜