イギリスの教育制度 ー公立小学校と Ofsted ー
みなさんこんにちは。
今日はイギリスの教育制度について書いてみようと思います。
親であれば子供のためにベストを尽くしたいと思うのは皆同じですよね。
ただ、「ベスト」って何かわからないですよね。
自分にとってのベストが子供にとってのベストかどうかはわからないし、他の親御さんのベストが自分が思うベストとは限らない。
イギリスにはもちろん私立と公立の学校があり、経済的に余裕がある一部のご家庭の子供は私立に小学校から通うのですが一般的には4歳になった9月から公立の小学校に行くのが普通ということになります。
公立の小学校は日本と同じように学区が決まっており基本的には自分の住んでいるところの学区の学校に行くのですが日本と全く違うところがイギリスの公立の学校は質にばらつきがあるということなのです。だから自分の住んでいるところの学区の学校がいわゆる良い学校であればいいのですが、良くない学校であると困ったことになります。
もちろんイギリスにも色々な人が住んでいるわけですから、学校の評価が多少悪かろうが気にしないという人たちももちろんいます。
ただ、先ほども言いましたが、親であれば子供にベストな環境を与えてあげたいと思うのは当たり前ですよね。だから良い公立の小学校にどうしても入れたいという場合場合皆良い学校の学区内にはお引越しをするということになるのです。
このような学校の制度を知っているローカルの人たちは家を買うときに子供の将来の学校を見越して選ぶというのは当たり前です。だからよい公立の学校の周りの家はその他の地域の家より価格が高いという事実も当たり前です。
ところでなぜイギリスの公立の学校にこんなにもレベルの差が生まれるのでしょうか。
それは様々な要因があると思います。
その中の一つが (これは私もびっくりしたのですが) イギリスには「教科書」がないのです。
もちろん学年ごとに達成しなければいけない項目が学科ごとに国で決められていてそれに沿ってカリキュラムを組むのですが、そのカリキュラムの具体的な内容は学校がそれぞれ決めることができるということになっているのです。だからやり方によって差が出ます。
あともう一つの要因は、学校のカラーが校長先生によってかなり違うという点です。
日本は校長先生って定期的に交代して色々な学校を回ったりしますよね。これも学校のレベルや方針にばらつきが出ないようにという日本の対策のように思うのですが、イギリスは誰が校長先生になるかによって学校の雰囲気がガラッと変わります。ということは良い学校になるか、評価の悪い学校になるかも校長先生にかかっているとも言えるのです。
そして最後には先程も少し述べましたがいい学校の周りの家は高値がつくのが当たり前なので、いい学校の周りに家を買える、もしくは借りられるご家庭というのはある程度裕福であるということになります。つまりいい学校の周りにはある程度社会的レベルの高い人たちが集まる傾向にあるという構図にもなっているのです。
どうでしょう、日本の公立の小学校とはかなり違いますよね。
ちなみに先程から良い学校に良くない学校と曖昧な定義をしてきましたがその、良い学校、良くない学校の評価というのは Ofsted という国の機関が色々な項目でそれぞれの学校を評価してレポートを公表している結果に基づいているのです。
学校選びの際にこの Ofsted report を読みまくるというのもイギリスでは当たり前です。
私たちも実は 長男の小学校を決めるときに引越しをした1人でもあります。
前に住んでいたところの周りには良い学校どころか小学校自体が近くになく半分引っ越すしかなかったのですが。
お陰で Ofsted 評価 Outstanding (最高評価) の学校に入れたわけですが、これも親としてその時のベストを尽くしたということになります。
イギリスの教育制度に関しては他にも沢山書きたいことがありますのでまた次回をお楽しみに!